(ブルームバーグ):米国人が春休みに旅行に出かけるには、これまで以上にお金がかかる。
学校の春休みのピーク期間とされる3月12-21日までの平均的な旅行費用は8306ドル(約124万円)に上る。2019年の2倍以上で、昨年と比べても26%増だと、フロリダ州を本拠とする旅行保険比較サイト、スクエアマウスは伝えている。
同サイトは25年2月20日-4月15日までの6000件の旅行の価格を調査した。保険購入時に旅行費用を提出する必要がある。米国人旅行者8000人を対象に旅行計画に関するアンケート調査も実施。回答者の少なくとも4割が、長年行きたいと思っていた旅行のためにこの時期を利用していることが分かった。
スクエアマウスによると、イタリアと日本が今年の春休みの旅行先として最も人気が高い。日本は春休みの旅行先としては珍しい選択肢だと、スクエアマウスの広報ディレクター、ジェンナ・ハマー氏は指摘。
円安が日本への観光を後押ししているとみられるが、日本への旅行の人気が春休みの旅行費用全体を押し上げている可能性もある。ハマー氏は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった「2020年の前に予定していた大きな旅行をしたいと人々は思っている」と語った。
温暖な気候の旅行先であるメキシコやバハマ、ドミニカ共和国は、毎年人気で、その人気はさらに高まっているという。
宿泊費と航空運賃
ホテル料金は19年以降、上昇を続けており、その傾向に歯止めがかかる兆しはまだ見られない。不動産分析プロバイダー、コスターのデータによれば、春の主要な旅行先としてスクエアマウスが取り上げた全ての場所で、19年から24年にかけ平均宿泊費が大幅に上昇している。
24年までにバハマの高級ホテルの平均宿泊料金は58%上昇し1泊当たり623ドル75セントとなっていた。グーグルによると、同地の5つ星ホテルは今年3月の平均宿泊料金が1049ドル。
ドミニカ共和国のホテル料金は19-24年に67%上昇し362ドル。グーグルによれば、今年の休暇シーズンに残っている部屋の平均料金は587ドル。
ただ、その他の費用が落ち着いていることは朗報だ。バケーションレンタル収益管理プラットフォーム、ビヨンドのプロダクトマーケティングディレクター、ライアン・セイラー氏は、短期賃貸物件の価格は現時点では前年比でほとんど変化がないと説明した。

航空運賃もほとんど変化していない。旅行アプリのホッパーによると、米国の春休みの旅行向けの国内便は現在、平均280ドルで24年と比較して4%の値上がりにとどまっている。カリブ海諸国やメキシコへの平均的な往復航空券は現在400ドル台半ばで、昨年と比較して3%の値上がり。
割安に旅行するには
春休みの出費の痛手を和らげるため、さまざまな実績のある裏技を活用するのは、まだ間に合う。
ホッパーによれば、最もお得な航空券を手に入れるには3月最初の2週間に旅行するのがよい。また、土曜に出発し週の半ばに戻ってくるスケジュールにすることで、航空券代をさらに節約できるという。
短期賃貸物件がホテルよりもお得である場合、空室がまだたくさんある目的地を選ぶことで、最大限の節約が可能になる。セイラー氏によると、ラスベガスとマイアミがそれに該当し、両都市では平均的な1日当たりの料金が前年より若干下がっている。
結局、宿泊費や往復の交通費を節約したい場合、人気の目的地を避けるのが得策だ。ホッパーが今年過小評価されていると指摘する温暖な気候の旅行先には、ニューヨークから245ドルで飛べるカリブ海のバルバドス、200ドル以下の便があるサンディエゴ、中米のベリーズ市などがある。
ホッパーはノースカロライナ州アッシュビルという魅力的な観光地も取り上げている。ハリケーン「ヘリーン」からの復興に取り組み、観光客を再び歓迎しようと努力している。
原題:Spring Break Travel Costs Hit Record Levels—Doubling 2019 Prices(抜粋)
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