みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ銀行の加藤勝彦頭取は27日朝、元行員が貸金庫から顧客2人の資産を盗んでいた不祥事に関して、「お客さまに不安を与えてしまったことは大変申し訳ない」と謝罪した。

都内で記者団に対して述べた。被害は2019年に発覚し、今月18日にみずほ銀が事案の内容を公表。同事案について同行トップが対外的に発言したのは初めて。数千万円としていた被害総額が6600万円だったことも明らかにした。被害者に対しては全額を補償した。

同行によると、事案が発生したのは16年1月ごろから19年6月にかけて。東京・広尾支店の当時30代の女性行員が、支店で保管している貸金庫の予備鍵を不正に入手して、現金を窃取していた。衣服などの購入や旅行などに利用していたという。顧客からの申し出で発覚し、元行員は19年10月に懲戒解雇となった。

この元行員は、顧客から融資申し込みがあったと見せかけて、同行の現金を窃取したとして21年に警視庁に逮捕されていた人物と同一人物だという。この逮捕の件については当時、銀行からも発表していたが、貸金庫からの窃取事案については、これまで公表してこなかった。

加藤頭取は当時公表しなかった理由について、被害者が特定できており、他の類似事案がないと確認したことに加え、一部の顧客が公表を望まなかったためなどと説明した。

みずほ銀では窃取事案が起きた当時の人事や営業などの担当役員の処分を行ったとも説明。当時の藤原弘治頭取は処分の対象外だったという。貸金庫の管理体制の再点検や強化を実施しているともした。

(加藤頭取のコメントを追加するなどして記事を更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.