オルタナティブ資産運用会社、カナダのブルックフィールド・アセット・マネジメントは、英ナショナル・グリッドによる米国の陸上再生可能エネルギー事業拡大に向けたプロジェクトに17億ドル(約2550億円)を投じることで合意した。データセンターや人工知能(AI)による電力需要の増加を見込んでいる。

コンピューティングのニーズが一部の予想よりも小さい可能性があることや、中国のスタートアップDeepSeek(ディープシーク)のAIモデルはより少ないエネルギーしか必要としないことへの懸念があるものの、投資家はテクノロジー企業による旺盛な電力消費の伸びを依然として確信している。

ナショナル・グリッドとの合意によりブルックフィールドは、運用中のプロジェクトや開発の最終段階にあるプロジェクトのポートフォリオを獲得する。ブルックフィールドは昨年、マイクロソフトにクリーンエネルギーを供給する記録的規模の契約を締結した。

ブルックフィールドの再生可能エネルギー・移行グループのグローバル最高投資責任者(CIO)、ジェー・ベバイナ氏はインタビューで、「ディープシークを巡るニュースの後に米大手テクノロジー企業が行った決算発表を調べたが、全社がデータセンター戦略を再確認していた。需要は減速していない。むしろ、かなり大幅に増加している」と語った。

24日の発表によると、取引はナショナル・グリッドの来期(2025年4月-26年3月)前半に完了する予定。同社の再生可能エネルギー部門は、米国で大規模な太陽光発電所や陸上風力発電所、蓄電池設備の開発・建設・所有・運営を行っている。現在、180万キロワットが稼働しており、さらに130万キロワットが建設中。

ブルックフィールドは昨年、再生可能エネルギーへの投資として英国の洋上風力発電所に17億5000万ポンド(約3300億円)を出資している。

原題:Brookfield Makes $1.7 Billion Bet on Power Needs by AI, Data (3)(抜粋)

--取材協力:Josh Saul.

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