(ブルームバーグ):トランプ米大統領は21日、米巨大テック企業にデジタルサービス税を課す諸国に対し、関税による対抗措置を正式に検討する大統領覚書などに署名した。国家安全保障に関する大統領覚書では、テクノロジーやエネルギーなど重要セクターへの中国投資制限を対米外国投資委員会(CFIUS)に指示した。
大統領覚書は、トランプ政権1期目にさかのぼる長年の懸念事項に対処する狙いがあり、アルファベットやメタ・プラットフォームズなど米テック企業にデジタル課税を行う国を対象に関税を含む対抗措置の提案を米通商代表部(USTR)に求める。貿易不均衡是正を巡り各国・地域間の応酬がさらに拡大する恐れがある。
ブルームバーグが内容を確認した行政措置のファクトシートによると、ホワイトハウスは、海外で事業展開する米テック企業から税を徴収しようとする外国政府を思いとどまらせることを目指す。デジタルサービス税を承認した国々への関税実施スケジュールを大統領覚書は設定していない。
USTRはフランス、イタリア、スペイン、インドなどの税制に関する個別の調査を2019年に開始。一連の課税が差別的であり、米企業に不当に打撃を与えていると認定していた。
国家安全保障に関する大統領覚書は、中国関連企業による米国のテクノロジー、重要インフラ、ヘルスケア、農業、エネルギー、原材料といった産業への投資を制限するため、「あらゆる必要な法的手段」を用いるとしている。
一方、トランプ大統領はホワイトハウスで20日に行われた医薬品メーカー首脳との非公開会合で、関税導入を警告し、海外の製造拠点を米国に急ぎ移すべきだと主張した。イーライリリーとメルク、ファイザーの最高経営責任者(CEO)らが同席した。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。
原題:Trump Eyes Tariffs to Counter Digital Taxes Big Tech Loathes (2)、Trump Directs CFIUS to Restrict Chinese Investments in US (1)、Trump Told Drugmakers to Move Production to US or Face Tariffs(抜粋)
(国家安全保障に関する覚書の内容を追加して更新します)
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