(ブルームバーグ):米議会上院は21日未明に2025会計年度予算決議案を可決した。共和党の上院議員が策定した同予算案は、「トランプ減税」を盛り込まず、公約実現には高いハードルが残された。この夏にデフォルト(債務不履行)を回避するために必要な、債務上限の引き上げという課題も残された。
上院が52対48で可決した予算案は、軍事費と国境警備費の強化に重点を置いた3400億ドル(約51兆1600億円)規模となっている。下院共和党はこれとは別に、数兆ドル規模の減税および歳出カットを盛り込みながら、同時に債務上限を引き上げる予算案を公表したが、党内の意見とりまとめに苦戦している。このため上院共和党は今回可決した予算案を予備的な代替案と位置付けている。
米下院共和党指導部が予算決議案を公表-減税と債務上限引き上げへ
トランプ米大統領は今週、下院の予算案に支持を表明。同案には国防と国境関連の予算増額に加え、4兆5000億ドル超の減税と、2兆ドル以上の歳出削減、4兆ドルの債務上限引き上げが盛り込まれている。

トランプ大統領が下院案を支持しているにもかかわらず、共和党のスーン院内総務ら上院指導部は上院予算案の徹夜採決を決行。税制に関する議論には数か月を要するが、不法移民を阻止するための資金は緊急に必要だと主張した。スーン院内総務はこれまで、債務上限引き上げについては超党派で期限までにまとめるアプローチを好むとしているが、具体的な工程表を示していない。
上院の予算案を起草したグラム上院議員(共和)は「恒久的な減税を盛り込み、国境と軍に必要な資金を手当てし、かつ歳出を削減できる、1本化された美しい予算案が好ましい」と述べつつ、「すぐに実現できない場合に備えたプランBを用意しておく必要がある」と述べた。
財政調整措置
共和党は野党民主党によるフィリバスター(議事妨害)を回避するため、2段階の財政調整措置を採用している。この措置はかつてオバマ元大統領と民主党が医療保険制度改革法(オバマケア)を成立させるのに採用した。バイデン前大統領もインフレ抑制法(IRA)の成立に用いた。
財政調整措置は実際に政府活動の予算を決定する年次の歳出決定プロセスとは別のものだ。歳出法案は3月14日までに成立させる必要があるが、民主党のフィリバスターで妨害される可能性がある。マリー上院議員(民主)は記者団に、歳出規模を巡る協議では「極めて」意見が近づいているが、民主党としては議会が決定した予算をトランプ政権が費やすという確証を得る必要があると述べた。共和党の予算策定を率いるコリンズ上院議員は、この確証という問題が原因で協議が行き詰まれば政府機関の閉鎖につながりかねないと懸念を表明した。
原題:Senate Budget Vote Leaves Hurdles For Trump Tax Cuts, Debt Limit(抜粋)
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