米テクノロジー部門で人気の高い大型株の多くが2025年に低調な滑り出しとなる一方、業界の老舗企業の一部が再び注目されている。

シスコシステムズやIBM、オラクルなどの銘柄は今年に入りアウトパフォーム。重要な成長分野である人工知能(AI)でこうした企業も勝ち組となる可能性が示唆された。

これらの銘柄が投資家を呼び込む要因には、AI分野で周知の勝ち組であるハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」と比べ、バリュエーションが割安な上に配当利回りも魅力的なこともある。不透明な金利見通しや輸入関税を巡る緊張の高まりも、魅力を鮮明にしている。

カリフォルニア州サンノゼのシスコシステムズ本社

HSBCのテクノロジー調査責任者スティーブン・バーシー氏は「こうした成熟した企業はディフェンシブな特性を備えており、経済的不確実性の時代には非常に魅力的だ」と指摘。「AI関連の需要増加が成長を後押ししている」点にも触れた。

ネットワーク機器メーカーのシスコを例に挙げてみよう。同社は現在のテクノロジー業界ではやや忘れられた存在で、株価はドットコム時代のピークをはるかに下回ったままだ。

しかし、先週発表した決算は予想を上回り、企業のAIインフラ支出拡大を追い風に、堅調な売上高見通しを示した。このニュースを受けてシスコ株は急伸し、2000年以来の高値を付けた。

 

AI人気を背景にS&P500種株価指数が何度も過去最高値を更新する中、テクノロジー部門のレガシー企業はマグニフィセント・セブンと比べ、出遅れていた。しかし、最近のトレンドはよりポジティブになっている。

シスコは今年に入り10%近く上昇。IBMは20%、オラクルは約8%上げている。一方、「ブルームバーグ・マグニフィセント・セブン・トータル・リターン指数」の上昇率は2%。アップルとマイクロソフト、アルファベット、テスラはいずれも年初来では下落している。

パリッシュ・キャピタルのテッド・パリッシュ最高投資責任者(CIO)は「これまでマグニフィセント・セブンの陰に隠れていたが、こうしたより割安で多角化しているテック銘柄は今後も引き続きリードしていくだろう」との見方を示した。

原題:Cisco and IBM Show Old-School Tech Names Can Be AI Winners Too(抜粋)

--取材協力:Subrat Patnaik.

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