(ブルームバーグ):中国の人工知能(AI)スタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)主導のテクノロジー株上昇を背景にAI関連銘柄を巡る楽観論が高まる中、先週は中国株の上場投資信託(ETF)に資金が流入した。
78億ドル(約1兆1840億円)規模の「クレーンシェアーズCSIチャイナ・インターネットETF」(ティッカー:KWEB)は、4週連続で新規資金が流れ込み、先週は6億3700万ドルと昨年10月のラリー以降で最大の流入額を記録した。ディープシークの最新AIモデルに対する期待が高まる中、中国テクノロジー株に資金が回帰している。
デルテック・アセット・マネジメントのマネーマネジャー、グレッグ・レスコ氏(ニューヨーク在勤)は「ディープシークは中国のイノベーションに対する信頼を築き、半導体を巡る制約にもかかわらず成功を収めた」とし、「テクノロジー分野に新たな活力が生まれ、習近平国家主席のサポートも相まって、KWEBにとってポジティブな材料になっている」と指摘した。

ディープシークのAIモデルは、テクノロジー業界に変革をもたらすものとして歓迎されており、同国の革新的な能力を際立たせている。同モデルはAI分野における中国の影響力を高め、ハンセンテック指数を今年これまでに26%押し上げた。
AIブームだけでなく、中国によるさらなる景気刺激策への期待も中国株を押し上げた。しかし、ディープシークとAIの話題が海外投資家の中国電子商取引への関心を再び呼び覚ました一方で、中国企業の見通しは依然として厳しい。
22Vリサーチの中国戦略責任者マイケル・ハーソン氏は、「国内需要の低迷やデフレ圧力、地政学的リスクを鑑みると、中国企業の背景にあるマクロ経済は依然として厳しい状況だ。これが最近の中国株上昇の持続性を制限する可能性があり、中国本土の株式が海外上場の中国テクノロジー企業ほど大幅な上昇を見せていない理由だ」と指摘した。
原題:China Tech ETFs Lure Investors as AI Boosts Sentiment(抜粋)
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