欧州中央銀行(ECB)は、職員に年間110日のリモートワークを認める現行制度を2027年まで延長した。報道官が明らかにした。110日は年間勤務日数の約半分に相当する。

月間では最大10日間のリモートワークが可能で、職員は110日間のうち90日間は、ECBがあるフランクフルト以外で勤務できる。

ECBは新型コロナウイルス禍時にリモートワークを導入。オフィス外勤務規定が厳格化された現行制度は23年に始まった。ECBによると、昨年は職員の約95%がリモート勤務し、平均日数は57日間だった。

ECB職員委員会のカルロス・ボウルズ代表はこの決定を称賛。電子メールで「ECBの職員にとって在宅勤務は、個人的制約がある中で仕事上の責務を果たしやすくなることから極めて重要だ」とし、「将来を見据えている人材を引きつけ、つなぎ留める上でも不可欠で、組織の強靱(きょうじん)さもさらに高められる」とコメントした。

ただ、金融業界全体ではリモートワークは後退している。シティグループとHSBCホールディングス、バークレイズは昨年、週5日のオフィス勤務を義務付ける行員を増やした。

また、JPモルガン・チェースが週5日の出勤を全行員に義務付ける準備をしているとブルームバーグは先月報道。一方、ドイツの金融機関は依然として柔軟な勤務形態を認めており、ドイツ銀行の行員は週2日のリモートワークが可能だ。

米国ではトランプ大統領が、職員のリモートワークを認めていた連邦政府機関を批判。バイデン前政権下で導入された在宅勤務制度を廃止した。

原題:ECB Extends Rule Allowing Remote Work for About Half the Time(抜粋)

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