19日の債券相場は先物が上昇。日本銀行の高田創審議委員の発言を受けて一時売られたが、従来のスタンスと大きく変わらないとの見方から買い戻されている。

高田委員は宮城県金融経済懇談会で講演し、金融政策の先行きについて、緩和的な金融環境のもと、引き続き前向きな企業行動の持続性が確認され、見通しが実現していけば一段のギアシフトを進める局面だとの考えを示した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、高田委員の発言内容は「これまでと大きく変わらずタカ派的だった」と指摘。ただ、「ギアシフト」は以前の講演でも使った言葉で「段階的な利上げを意味するとみられ、日銀の従来の説明から逸脱していない」との見方を示した。

今週に入り中長期債中心に利回りの大幅上昇が進んだ背景には、高田委員の講演内容を見極めようと買いが控えられた側面があった。高田氏は午後に記者会見する予定で、次回の利上げ時期や利上げペース、中立金利に関する具体的な示唆の有無が注目される。

 

日銀は19日、定例の国債買い入れオペを通知した。対象は残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下、25年超で、買い入れ額はいずれも前回から据え置いた。

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