欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のドムブロフスキス委員(経済担当)は17日、対EU関税を導入するトランプ米大統領の計画について、投資の抑制という形ですでにEUに影響が出ていると述べた。

同氏はブリュッセルで開催されたユーロ圏財務相会合後の記者会見で、ここ数か月見られるエネルギー価格の再上昇も生産に悪影響を及ぼしていると述べた。それでも底堅い労働市場と「依然として軌道に乗っている」ディスインフレが寄与し、成長の勢いは徐々に上向く見通しだが、以前の予想には届かないだろうと語った。

「EU経済はわれわれが秋に予測していたよりも、やや遅いペースで成長する見通しだ」とドムブロフスキス氏は述べた。欧州委は昨年11月中旬、今年のEU成長率は1.5%に、ユーロ圏は1.3%にそれぞれ加速するとの見通しを示していた。

トランプ大統領は13日、多数の貿易相手国に対して相互関税を課すことを検討するよう政権に指示した。早ければ4月初めに発動する可能性がある。トランプ氏は自動車関税の導入も示唆した。自動車関税が発動されれば特にドイツの自動車メーカーが打撃を受ける。

トランプ氏は米国が対応を検討している不公平な貿易ルールの例として、EUの付加価値税(VAT)などの非関税障壁を挙げた。EUはトランプ氏が関税案の詳細を明らかにするのを待っている状態だ。

トランプ政権の関税案は米国の大西洋パートナーシップへのコミットメントを「当然視できない」ことを示していると、ドムブロフスキス氏は指摘。

「われわれは最近の関税措置の発表を遺憾に思っており、断固として相応の対応を行う用意がある」とし、「われわれの貿易政策に関する不確実性は著しく高まっており、すでに米国を含む世界経済に悪影響を及ぼしている。EUも例外ではない」と語った。

原題:Trump Trade Uncertainty Is Hitting EU Economy, Dombrovskis Says(抜粋)

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