米玩具メーカーのマテルは、トランプ大統領の関税措置に伴うコスト増を相殺するため、「バービー」人形やミニカー「ホットウィール」などの値上げを検討している。

イノン・クライツ最高経営責任者(CEO)は4日のインタビューで、まずサプライチェーンの効率化や一部生産施設の移転を検討した上で、追加コストを消費者に転嫁するかどうかを決定すると述べた。

トランプ氏は1日、中国からの輸入品に10%の追加関税を賦課する大統領令に署名。メキシコからの輸入品にも25%の関税を課すとしていたが、同国が国境警備隊の強化を確約したことを受け、同国への関税発動を1カ月延期すると3日発表した。中国はマテルの原材料調達先の約40%、メキシコは約10%を占める。

ニュージャージー州のターゲット店舗に並ぶ「バービー」人形(2024年11月26日)

クライツ氏は「対策を講じるに当たり、まずは当社のサプライチェーンから始めるが、価格設定も検討している選択肢の一つだ。当社は小売りパートナーと緊密に連携し、適切な種類の製品を適切な価格帯で提供できるよう努めていく」と語った。

マテルが4日発表した2024年10-12月(第4四半期)決算は、売上高と利益が共にアナリスト予想を上回った。売上高は前年同期比1.6%増の16億5000万ドル(約2500億円)、調整後1株利益は35セント。予想はそれぞれ16億3000万ドル、20セントだった。コスト抑制が寄与し、粗利益率は50%強に上昇した。

おもちゃ需要の低迷で昨年通期の売上高は1.1%減少したが、25年にはプラスに転じるとマテルは予想。最大3%の増収を見込む。調整後営業利益は7億4000万-7億6500万ドルとなる見通しで、同社は6億ドル相当の自社株買いを目指している。

原題:Mattel Weighs Barbie Price Hikes to Counter Trump Tariffs(抜粋)

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