(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は就任前、米財務省による国債発行戦略を巡り、イエレン長官(当時)を繰り返し批判してきた。次回の四半期定例入札の発行規模は5日に公表予定で、今度はベッセント氏自身がどういった判断を下すのかに注目が集まる。
財務省は過去4回の四半期定例入札時にいずれも、「少なくとも向こう数四半期」は中長期債の発行規模を据え置くとのガイダンスを示した。前回、入札規模を拡大したのは2024年初頭。
多くのディーラーはベッセント長官の過去の発言などを根拠に、この文言が「向こう2、3四半期」などに修正される可能性を指摘している。
イエレン前長官を巡っては、昨年11月の米選挙の前に景気を押し上げるため、住宅ローン金利などに影響する中長期債の発行を人為的に抑制しているとの批判があった。主として共和党員の間で語られてきたことで、ベッセント氏もそうした疑問を投げ掛けていた。イエレン氏はそうした事実は一切ないと否定している。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米金利戦略責任者、マーク・カバナ氏は「この点が5日公表分の主要なポイントになる」と指摘。「新政権として自らのガイダンスを用意したいと考えるだろう」と述べた。

ベッセント長官がガイダンスを完全に撤回した場合は供給増加が意識され、中長期債は下落(利回りは上昇)する可能性があるとディーラーは警戒している。
当面この文言は維持されるとの見方も市場関係者の間にあるが、その多くは可能性を五分五分とみている。

原題:Bessent Takes the Helm on US Debt Sales After Blasting Yellen(抜粋)
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