(ブルームバーグ):中米エルサルバドルの議会は、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン関連法の改正を承認した。法改正は国際通貨基金(IMF)の融資を確保するために必要だった。
エルサルバドルのドル建て債は30日に全年限で上昇し、新興国債券で最大の上げとなった。ブルームバーグ集計のデータによると、2054年償還債は2.7セント高の額面1ドル当たり107セント。同国が14億ドル(約2160億円)規模のIMFの融資確保に近づいているとの投資家の楽観的見方を示唆した。
バークレイズのストラテジスト、ジェイソン・キーン氏は「今後数週間にIMF理事会の承認が下りると予想している」と指摘した。
法改正に伴い、企業がビットコインを決済手段として受け入れることは任意となる。また、政府は国内外の債務をそれらが発行された通貨で支払うことが義務付けられると、エルサルバドル紙ラ・プレンサ・グラフィカが報じた。
政府の集計によると、同国は約6億3600万ドルに相当する6049ビットコインを保有。ここ7日間にはさらに増加している。
エルサルバドルの駐米大使ミレーナ・マヨルガ氏は、同国は依然ビットコインの日々の購入にコミットしており、新たな法律にもかかわらずデジタル資産を支える「エコシステム」を維持していくとコメントした。
エルサルバドルは2021年、ビットコインを法定通貨として採用した最初の国となり、ブケレ大統領はビットコインのパイオニアとして一躍名を上げた。しかし、この考えに反対するIMFとの対立も招いた。
数年にわたる交渉の末にブケレ氏は折れ、IMFの要請に従うために法改正に同意した。これを受け、同国の債券価格は上昇し、一部の債券は現在、額面を上回る水準で取引されている。
原題:El Salvador Passes Change to Bitcoin Law, Sparking Bond Gain (1)(抜粋)
--取材協力:Jim Wyss.
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