中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」買収を目指す米投資家グループが200億ドル(約3兆1000億円)を超える資金を確保した。買収提案をまとめているテクノロジー起業家ジェシー・ティンズリー氏が明らかにした。グループにはトップユーチューバ-、ミスタービースト(MrBeast、本名ジミー・ドナルドソン)も参加している。

エンプロイヤー・ドット・コムのCEO、ジェシー・ティンズリー氏がTikTokの米事業買収を巡るミスタービーストとの会話について語る

エンプロイヤー・ドット・コムの創業者であるティンズリー氏は29日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、同グループの入札額は競合となる買い手が提示している約200億ドルを「大幅に上回る」と明らかにした。

競合の提示額とは、ロサンゼルス・ドジャースの元オーナーとして知られるフランク・マコート氏らが率いるプロジェクト・リバティの入札額を示している可能性がある。プロジェクト・リバティはTikTok買収に250億ドルが必要と見込んでいる。

バイトダンスと中国政府がティンズリー氏およびマコート氏からの提案を前向きに検討しているかは不明だが、バイトダンスがTikTokの米事業を救う法的手段を使い果たした今、交渉の余地が広がっている可能性がある。また、TikTokはトランプ大統領による対中関税賦課などを発端とする米中貿易戦争において強力な切り札となるかもしれない。

もっとも、ティンズリー氏と同氏の投資家グループが有力な買い手になるかは依然として不明。同氏はTikTokの親会社である中国企業の字節跳動(バイトダンス)と直接接触できていないと述べた。バイトダンスはTikTokの米事業は売却対象ではないと主張している。

ティンズリー氏はブルームバーグに対し、「直接的な返答はまだない。バイトダンス側は沈黙している」と語った。

ティンズリー氏はまた、同グループの投資家としてロブロックスの共同創立者で最高経営責任者(CEO)を務めるデビッド・バズーキ氏およびアンカレッジ・デジタルの共同創立者でCEOのネイサン・マコーリー氏が参加すると述べた。

アンカレッジ・デジタルの広報担当者はマコーリー氏の参加を確認したが、ロブロックスは現時点でコメントしていない。

原題:TikTok Bidder to Offer ‘Significantly’ More Than $20 Billion (1)(抜粋)

--取材協力:Caroline Hyde、Michael Shepard.

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