(ブルームバーグ):フランスの資産家ベルナール・アルノー氏は、トランプ大統領就任後に米国に楽観的な風が吹いていると述べた。一方、母国フランスでは、政府が法人税の引き上げを目指している上に、失業率が上昇していると指摘した。
フランスの高級品ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンを率いるアルノー氏は28日、同社の通期決算発表に合わせて行われた記者会見で、両国には「異なるムードがある」と語った。また、フランスへの帰国を冷水のシャワーを浴びたことに例える場面もあった。

アルノー氏は先週ワシントンで行われたトランプ大統領の就任式で、テクノロジー業界の富豪やアルゼンチンのミレイ大統領と並んで立つ姿が見られた。LVMHの筆頭株主である同氏は、妻と子ども2人と共に出席した。
「米大統領からの就任式への招待を断る人がいるだろうか」とアルノー氏は述べた。同氏はロナルド・レーガン氏以来、歴代の米大統領と面識があり、トランプ氏とも個人的に長い付き合いがあると付け加えた。
トランプ氏とは1980年代初頭にアルノー氏が初めてニューヨークを訪れてからの知り合いだ。アルノー氏は当時、フランスの社会党政権から逃れ、不動産事業を立ち上げようとしていた。
この試みは成功しなかったものの、両氏の関係は続いている。トランプ氏は昨年、ブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューで、アルノー氏について「素晴らしい人物で、私の友人だ」と語っている。
ただ、LVMHの売上高に米国が占める割合は4分の1で、トランプ氏が欧州連合(EU)に関税を課した場合、その影響を受けやすいとみられている。
アルノー氏はトランプ氏の大統領選勝利後に同氏と関税リスクについて協議したかについてはコメントを控えた。
原題:Arnault Sees Optimism in US After Attending Trump Inauguration(抜粋)
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