(ブルームバーグ):市場を混乱に陥れた安価な人工知能(AI)モデルの出現は、テクノロジー業界にとって歓迎すべきものだと、オーストラリア最大の年金基金であるオーストラリアンスーパーのポール・シュローダー最高経営責任者(CEO)が述べた。
同氏は28日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、中国のAI新興企業であるDeepSeek(ディープシーク)による同モデルの開発を「サイクル中間点の効率性向上」と呼んだ。
ディープシークが低コストのAIモデルを披露したことで投資家の間に不安が広がり、27日の取引でAI向け半導体大手の米エヌビディアの時価総額が5890億ドル(約91兆円)消失した。
3550億豪ドル(約34兆6000億円)規模の同基金は、大多数の加入者が退職後の貯蓄を行っているバランス型投資オプションで、6月末時点で約20億豪ドルのエヌビディア株を保有していた。
シュローダー氏は「誰かが現れて、『もっと安くできますよ』と言った」ということだと語った。そういう「競争は歓迎だし、効率性も歓迎だ。テクノロジーへの投資には非常に大きなチャンスがあると考えている」と述べた。
トランプ米大統領もディープシークの進歩と思われるニュースを「ポジティブ」と捉えていると発言し、コスト削減につながると述べていた。米国の産業にとって、競争への集中が必要という「警鐘」になるはずだとも述べた。
シュローダー氏は「トランプ大統領が『警鐘』と表現した発言に非常に興味をそそられた」と語った。
原題:DeepSeek Disruption ‘Welcome’ Says Australia’s Top Pension CEO(抜粋)
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