トランプ米大統領が掲げる不法移民対策を受け、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなど各都市の移民コミュニティーでは緊張が続いている。トランプ氏は不法移民の大規模な強制送還の開始を約束したほか、当局に対して教会や学校といったこれまで保護されていた場所への立ち入り権限を認める大統領令などを出している。

米国土安全保障省の報道官は21日の声明で、「犯罪者は逮捕を逃れるために米国の学校や教会に隠れることができなくなる」と述べ、「トランプ政権は勇敢な法執行機関の手足を縛ることはしない。彼らが常識を踏まえて行動すると信頼している」と続けた。

トランプ氏は2期目の大統領就任初日に移民の取締り強化を約束し、特に暴力犯罪を犯した移民を重点的に取り締まることを明言した。

シカゴの繁華街リトルビレッジやニューヨークの保護施設、首都ワシントンのレストランなどでは、今後についての不安の声が移民の間で増えている。外出を控える人も多い。

1年前に夫と息子とともにベネズエラから逃れてきたダイアナ・メドリカさんはニューヨーク・ブルックリンのシェルターの外で、「怖いけれど外に出ないといけない。働かないといけないから」と語り、「移民局が来たらどうしたらいいのかわからない」と話した。

トランプ氏は、米国に不法滞在していると推定される1100万人を対象に、米史上最大の強制送還を実施すると公約している。また、南部国境で国家非常事態を宣言し、不法移民の子供たちへの出生地主義に基づく市民権付与を制限する計画も明らかにした。ただ、この動きは民主党が優勢な州からの反発を招いている。

AP通信によると、国防総省はメキシコとの国境の警備強化のため現役兵士1500人の派遣を開始した。

トランプ氏の21日の大統領令は、米移民・税関捜査局(ICE)や税関・国境警備局(CBP)に学校や礼拝所、病院、冠婚葬祭での職務遂行を制限してきた長年の方針を転換するものだ。

20日の大統領就任の祝賀会中には当局が突然、南部国境沿いで移民が事前に情報を提供したり、入国を予約したりすることができるアプリ「CBPワン」の機能を廃止。それまで移民申請者はこのアプリにより、1日1450件の予約が可能だった。

原題:NYC, Chicago Brace for Raids After Trump Immigration Orders (1)(抜粋)

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