韓国のサムスン電子は22日、新型スマートフォン「ギャラクシーS25」シリーズをカリフォルニア州サンノゼで開催したイベントで発表した。人工知能(AI)機能を刷新し、ハードウエアのデザインを微調整した。

披露されたのは「S25」とより大型の「S25プラス」、最上位モデルの「S25ウルトラ」の3機種。価格はS25が799ドル(約12万5000円)から、6.9インチのウルトラは最も大幅なデザイン変更となり、カメラのハードウエアをアップグレードした。

過去2年間にサムスンは、Sシリーズで2桁成長を維持しており、カウンターポイント・リサーチのデータによると、最新のフラッグシップモデルであるS24シリーズは3500万台を売り上げている。

最新のS25シリーズは、サムスンが確立したデザイン言語をほぼ踏襲し、いずれも若干薄型化・軽量化。ウルトラではディスプレーの縁が15%スリム化し、ひび割れ対策を29%強化した新しいゴリラガラスのスクリーンと、丸みを帯びたエッジのチタンフレームを採用した。

ギャラクシーS25ウルトラのAI機能のデモ

新シリーズの主要なセールスポイントは、刷新された基本ソフト(OS)インターフェース「One UI 7」を介したAI機能の拡充だ。同機能は主にアルファベット傘下グーグルのAI技術「ジェミニ」を介して処理されるが、サムスンが開発した端末上の機能もあり、このアプローチを「ハイブリッドAI」と同社は呼んでいる。

最新OSではAI機能をアプリ内を中心とするものから、システム全体にわたるアプローチへと移行。最も重要な新機能はクロスアプリアクションと称するもので、AIシステムに1回のコマンドで複数のタスクの実行を指示できる。例えば、近隣のレストランを検索してレビューを提供すると同時にカレンダーに予約を追加して詳細をテキストメッセージで友人に送信することもできる。

サムスンはまた今回のイベントの最後に、超薄型モデル「S25エッジ」の予告も行った。今年前半に発売する計画で、有望な新カテゴリーでアップルに先行する構えだ。

アップルも今年中に超薄型モデルを投入する見通しで、スリムなスマートフォン分野で両社が対決する。

モバイル部門責任者の盧泰文(ノ・テムン)氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、エッジを米国などの市場で年央までに発売する計画だと述べた。

盧氏はまた、グーグルと提携して拡張現実(AR)グラス市場に参入する見通しも示した。

サムスンとグーグルは昨年12月にヘッドセット「Project Moohan」での提携を発表したばかりだが、盧氏はインタビューで、すでにARグラスでも共同作業を行っていると述べた。詳細については明らかにしなかったが、「Android XR」OSの共同開発の一環として、最終的に発売されるという。

「Project Moohan」

原題:Samsung Banks on AI Expansion to Spur Demand for New S25 Phones、Samsung to Beat Apple to Ultrathin Phone With Galaxy S25 Edge、Samsung Set to Enter AR Glasses Market in Race With Meta, Apple(抜粋)

--取材協力:Vlad Savov.

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