イスラム組織ハマスは19日、イスラエル人女性人質3人を解放した。パレスチナ自治区ガザで発効した停戦に基づく人質解放の第1弾。

解放された3人は赤十字によって、ガザのイスラエル軍に移送され、ガザとの境界線を越えた。イスラエルは残る人質30人の解放に合わせて、パレスチナ人受刑者90人の即時釈放の準備を開始する。そのリストは女性69人と男性21人から成り、その中には未成年者もいる。

2023年11月以来の停戦は、数カ月にわたるバイデン米政権とカタールおよびエジプトによる交渉、そして20日の第2次トランプ政権前の合意に向けた最近の働きかけにより、計画通りに進んだもようだ。

ガザ地区での戦闘は19日から6週間停止される。今回の停戦合意は、イスラエル人33人の人質解放と、イスラエルの刑務所に収監されている数百人のパレスチナ人の解放を目指したもので、解放される人質1人につき、30人のパレスチナ人が釈放される予定。

19日には、何千人ものイスラエル国民がテルアビブ美術館の外に集まり、「人質広場」として知られるようになったその場所で、3人の女性が解放されるテレビ中継を見守った。

解放されたイスラエル人女性のロミ・ゴネンさん(24)とドロン・シュタインブレッヒャー(31)さん、エミリー・ダマリさん(28、英国籍も保有)は19日、ガザとの境界線近くの施設で母親たちと再会。その後、空軍のヘリコプターで病院に搬送され、残りの家族と再会し、治療を受けたとイスラエル国防軍が声明で発表した。

パレスチナ人受刑者は20日早朝に釈放された。その中にはヨルダン川西岸地区の住民78人も含まれていた。赤十字国際委員会(ICRC)の担当者がバスで搬送されたパレスチナ人に付き添った。

バイデン大統領は19日、自身が仲介した停戦合意について、キャリアの中で「最も厳しい交渉の一つ」だったと記者団に述べ、解放された人質の容体は良好だと聞いていると説明。

バイデン氏は「きょう、ガザ地区の銃声はやんだ。きょう、われわれは人質が解放されるのを目の当たりにした。470日間も暗いトンネルに監禁されていた3人のイスラエル人女性だ」と語るとともに、最終的な成功には「この地域の友人たちへの粘り強く継続的な支援、そして次期政権による抑止力に裏打ちされた外交への信念」が必要だと指摘した。

エミリー・ダマリさん(中央、19日)

原題:Gaza Ceasefire Takes Hold as Hostages and Prisoners Are Swapped、First Three Israeli Hostages Freed in Gaza Under Ceasefire (2)(抜粋)

(バイデン米大統領の発言などを追加して更新します)

--取材協力:Ethan Bronner、Fadwa Hodali、Lauren Dezenski、Justin Sink.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.