(ブルームバーグ):中国はデフレサイクルを断ち切ることができず、1960年代以来最も長期の物価下落局面にあるとエコノミストらはみている。昨年末の景気上振れで見えなかった経済の脆弱(ぜいじゃく)性が今週の公式統計で露呈しそうだ。
中国が17日発表する国内総生産(GDP)データは、2024年の中国経済が2年連続でデフレとなったことを示すと大方の市場関係者が想定している。
JPモルガン・チェースやシティグループなどの米大手銀行の一角は、デフレが25年も続くと予測。そうなれば、毛沢東初代国家主席の「大躍進」政策で経済が失速した1960年代以来最も長いデフレ局面となる。
ブルームバーグが調べた市場関係者15人の予想中央値では、昨年10-12月(第4四半期)の実質GDPは前年同期比で拡大ペースが加速すると見込まれている。ただ、2025年には物価を示す最も幅広い指標であるGDPデフレーターがマイナス0.2%になると予測されている。
GDPデフレーターは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の10年間、平均でプラス3.4%を記録していた。

HSBCホールディングスのアジア担当チーフエコノミスト、フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)は、「中国では特に財政面での刺激策が非常に必要とされている」と指摘。
「ディスインフレから完全に脱却するには大きな政策の後押しが必要なことを各国の経済で確認してきた。中国でも徐々にそうなるだろうが、実際には非常にゆっくりとした動きになるだろう」と述べた。

中国がデフレから脱却できないのは、推定18兆ドル(約2800兆円)相当の富を家計から奪った住宅危機によるところが大きい。資産価値の目減りを目の当たりにした一般世帯は、消費よりも貯蓄に向かっている。
ブルームバーグが集計したエコノミスト予想では、24年の実質GDP成長率は4.9%に達したもよう。政府が相次ぎ景気対策を打ち出したことから直近の数カ月は景況感が好転した。

原題:China Is Facing Longest Deflation Streak Since Mao Era in 1960s(抜粋)
--取材協力:Cynthia Li.
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