(ブルームバーグ):10日に発表された12月米雇用統計が強い内容だったことを受け、大手金融機関の間で年内の米利下げ回数見通しを後退させる動きが広がっている。JPモルガン・チェースは従来の3回予想を2回に、バークレイズは2回から1回に変更した。
JPモルガンは最新予想で、6月と9月に0.25ポイントずつの利下げが実施されるとの見方を示した。
同行の米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は10日のリポートで「米金融当局が3月までに再び緩和策を講じるには、非常に悪い内容の雇用統計が複数回示される必要があるだろう。従って当社は現在、次回の利下げは6月で、その後9月に最後の引き下げが行われると予想している」と記した。
バークレイズは10日のリポートで、もはや3月の利下げは見込まず、年内はわずか1回の引き下げにとどまるとの見通しを示した。
米国担当チーフエコノミストであるマーク・ジャンノーニ氏らのチームは「力強い12月雇用統計と家計のインフレ期待上昇」に言及。
「連邦公開市場委員会(FOMC)は6月に利下げを実施すると、当社では引き続きみている。向こう数四半期に景気が減速し、上期にインフレが鈍化を続けると予想している。下期には、関税措置が幾分かのインフレ加速につながるだろう」とリポートで指摘した。
その上で、「物価上昇圧力が再び落ち着いたことがデータで示された後、FOMCは2026年6月に利下げを再開する」と予想した。
原題:JPMorgan Trims Fed Rate Cuts View to Two This Year, From Three、Barclays Economists Now See Just One Fed Cut in 2025(抜粋)
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