複数の米大手銀行が気候変動対策を目的とした国際的な銀行グループ「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」からの脱退を表明した後、テキサス州のパクストン司法長官は、これら銀行を地方債の引受業務から締め出すとしていた警告を取り下げた。

同長官はNZBAを繰り返し批判してきた。石油・ガス業界に対する「ボイコット」と見なされる行為をした金融機関への罰則を盛り込んだテキサス州の法律に、NZBAメンバー行が違反しているかどうか調査すると、同長官の事務所は23年に発表していた。

NZBAからはここ数週間でJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴが脱退を表明している。

パクストン氏の事務所は7日夜、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、JPモルガンに対する調査を終了すると発表した。

これらの金融機関は、テキサス州および同州自治体の債券の主要な引受会社だ。同州は地方債のディールでは最大の市場の一つ。パクストン氏は取引に参加する銀行の決定に影響力を持つ。

JPモルガン広報担当者ローレン・ビアンキ氏は、同行はテキサス州のエネルギー業界や経済を支える役割を誇りにしているとコメント。「われわれはテキサス州の成長、繁栄に貢献し続けるのを楽しみにしている」とした。

ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーの広報担当者はコメントを控えた。

パクストン氏の事務所はNZBAについて、メンバーに「消費者や投資家に対する義務を無視した破壊的な気候目標」の推進を促していると声明で主張した。

原題:Wall Street Banks Cleared by Texas AG After Leaving NZBA (2)(抜粋)

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