ブラジルのアダジ財務相は18日、財政懸念の高まりを背景とする売り圧力が強まる中、ブラジル・レアルが「投機的な攻撃」にさらされている可能性があると述べた。

ブラジリアでの記者会見で「投機的な攻撃があるかもしれない。ただ、これについて判断するつもりはない。財務省はファンダメンタルズに基づいて動いているためだ」とし、通貨は落ち着きを取り戻すとの見方を示した。

レアルの過去4営業日のパフォーマンスは世界の通貨の中で最悪となっており、年初来では対ドルで20%余り下落している。急増する財政赤字を抑制するというルラ大統領のコミットメントに対し投資家の懐疑的な見方が強まっている。

アダジ財務相の発言を受け、レアルは一時1.3%安の1ドル=6.19レアルを付けた。スワップ金利も引き続き上昇した。

ブラジル政府は現在、財政強化に向け、歳出を700億レアル(約1兆7200億円)削減する一連の措置の承認を求めており、下院は17日夜、議会で審議中の4法案のうちの一つを可決した。一部の条項が修正されたが、下院幹部は財政全体への影響に変化をもたらすものではないと述べた。

アダジ財務相は18日、政府は議会に対し、歳出削減計画を骨抜きにしないよう圧力をかけており、議員らに「分別」を持って行動するよう求めたと述べた。

一方、ブラジル中央銀行は17日、レアルの下落を食い止めるため、スポット市場で総額30億ドル余りのドル売り介入を実施。ブラジル当局はこれで、過去1週間足らずで4回のドル売り介入に踏み切っている。

原題:Brazil Finance Chief Says Real May Be Under ‘Speculative Attack’(抜粋)

--取材協力:Leda Alvim.

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