コーヒー生豆商社大手の独ノイマングループは、焙煎(ばいせん)業者が価格上昇を消費者に転嫁する動きは鈍いものの、需要は「大きな逆風に直面している」との見方を示した。

ブルームバーグが確認したリポートによると、ノイマンは、2024-25年度(24年10月-25年9月)にほとんどの国で消費が引き続き低迷すると見込んでいる。ニューヨークの商品市場ではコーヒー生豆先物が過去最高値に上昇し、焙煎業者に消費者への価格転嫁を迫る中、需要が回復する可能性は低い。

世界的な供給が需要に追いつかない状況が続く中、米スターバックスが好んで利用する高級品種、アラビカ種の先物価格は年初来で約70%上昇。10日の取引では同先物が過去最高値を更新したものの、多くの焙煎業者が12-18カ月先までヘッジしているため、消費者への影響は遅れて現れる傾向にある。

ノイマンはリポートで、「生豆価格の消費者への転嫁が非常に遅れてゆっくりとしたペースで行われているにもかかわらず、世界の需要は大きな逆風に直面していると考えている」と指摘。「現在の価格水準は消費者向け価格の一段の上昇を余儀なくさせるもので、われわれの見方を強めるだろう」と述べた。

ノイマンは、24-25年度のコーヒー需要が1億7000万袋を下回る水準にとどまり、前年比横ばいとなるものの、供給逼迫(ひっぱく)により市場は引き続き200万袋の世界的な供給不足に見舞われると予想。23-24年度の推定260万袋の供給余剰から一転する見通しだ。

リポートによると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で世界の消費が初めて減少し、その後新興国市場は回復しているものの、欧州や北米の市場では需要が引き続きコロナ禍前の水準を下回っているという。

原題:Top Coffee Trader Says Demand Faces ‘Significant Headwinds’ (1)(抜粋)

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