ESG(環境・社会・企業統治)に前向きでないトランプ次期米政権下でも、企業や自治体はサステナビリティー目標に向けた資金調達のため債券市場を活用することになる。TDセキュリティーズのESGソリューション部門グローバル責任者、エイミー・ウェスト氏がこうした見方を示した。

米国では膨大なインフラ整備の需要があり、そうした需要は拡大するばかりだとウェスト氏は指摘。政権が民主党か共和党かを問わず、州や地方自治体は、インフラが異常気象の影響を受けにくくなるよう資金調達に動くとした。11日のブルームバーグ・インテリジェンス(BI)主催の会議で語った。

ウェスト氏は、連邦政府からの支援もある程度は見込まれるが以前に比べはるかに少なくなるだろうと指摘している。

企業はもともと政治と距離を置きがちだったが、米国で最近広がる反ESGに対応し、持続可能性の方針に絡むコミュニケーションの仕方を変えてきていると同氏は指摘した。

企業はESGを避け、サステナビリティーという用語を使うようになっている。同氏によれば、それでもなお民間部門は気候変動対策に向けた資金調達を必要とする見通しだ。

「今後4年間、新政権が何をしようと民間部門、資金提供者が期待するその野心的な取り組みに注目が集まるだろう」と同氏は話した。

サステナブル債で最大のカテゴリーとなるグリーンボンド(環境債)の発行は今年急増しており、年間の最高額を更新する勢いだ。一方、資金使途を特定のプロジェクトに限定しないESG債は、グリーンウオッシュへの懸念が高まる中で苦戦しており、サステナビリティー連動債(SLB)や移行債市場に影響が出ている。

原題:Trump Seen as Unlikely to Stall Pace of Sustainable Debt Sales(抜粋)

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