(ブルームバーグ):米防衛関連技術企業のパランティア・テクノロジーズとシールドAIが、人工知能(AI)を活用した情報活動などを可能とする自律飛行システムの開発に向け戦略的提携を結んだ。両社独自のソフトウエアの主要部分を共有することで、新たな戦闘能力の開発につなげる。
シリコンバレーの支援を受けた企業へのトランプ次期米政権の積極姿勢を好機と捉える動きでもある。
シールドAIの社長兼共同創設者ブランドン・ツェン氏は、無人航空機について今後、近距離で検知できるセンサーだけでなく、はるか遠方から収集したデータも活用できるようになると指摘。「こうしたシステムにより、戦場でこれまで見たことのないようなことが行われるのを目にするだろう」と語った。同氏は、5日に行われた調印式でブルームバーグ・ニュースに話した。
両社の提携の発表があった前日には、米オープンAIと防衛テクノロジーの新興企業アンドゥリル・インダストリーズが、アンチドローンシステムの開発で提携することが明らかになった。中国などの敵対国に対し優位性の維持を図る米軍にとって、AIの重要性が増していることの証しとなる。
ドローン技術を巡る新たな脅威の認識を裏付ける形で、中国は5日、シールドAIを含む米軍事企業13社に制裁を課したことを明らかにした。これら13社の多くは9月、台湾への通商代表団に参加していた。代表団に参加したシールドAIは、VーBATと名付けた同社の自律型ドローンが、台湾軍に「南シナ海などにおける海上領域認識を確立する独自の能力」を提供できると指摘していた。
ツェン氏はブルームバーグ・ニュースに対し、同社は「意図的に」中国に依存していないことから、中国の制裁措置の影響はほとんど受けないと指摘。制裁措置について、米国が大きな紛争を回避できる「強力な抑止力」を開発中であることを示すと語った。
新たな防衛技術を巡る今回の提携の背景には、米中の競争が激化し台湾を巡る緊張が高まる中で、従来型の防衛企業が手掛ける巨額の兵器から、先進技術やその開発企業へと軍事支出がシフトする動きがある。
原題:Palantir and Shield AI Partner on AI-Enabled Military Aircraft(抜粋)
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