インドの富豪ゴータム・アダニ氏は11月30日、米検察官当局から2億5000万ドル(約375億円)の贈賄などの罪で起訴されて以来初となる公の発言で、「あらゆる攻撃」が自身の企業グループをより強くすると厳しい口調で語った。

アジア2位の資産家でインド新興財閥アダニ・グループの創業者であるアダニ氏は、インドのジャイプルで開催されたジュエリー関連授賞式向けに用意したスピーチで、「世界クラスの規制順守へのわれわれの絶対的なコミットメントを再確認するために」法的手続きを進めていると話した。

さらに、「このような課題に直面するのは初めてではない。私が言えるのは、あらゆる攻撃がわれわれをより強くし、あらゆる障害がよりたくましいアダニ・グループへの足がかりになるということだ」と述べた。11月21日に起訴が公表された後、公の場に姿を現したのはこれが初めて。

創業者らの起訴後、アダニ関連株は乱高下。再生可能エネルギー部門のアダニ・グリーン・エナジーは6億ドルのドル建て債発行計画を撤回せざるを得なくなり、インドの市場監督当局から問い合わせを受けた。

米検察当局は、アダニ氏ら企業幹部が太陽光発電の契約を獲得するためにインド政府高官に2億5000万ドル強の賄賂を約束していたにもかかわらず、自社の贈収賄防止慣行について米国の投資家を欺いたと主張している。

アダニ氏は米検察当局の起訴内容について「ネガティブな」イメージが広がっているのは「既得権層寄りの報道のせいだ」と非難。アダニ・グループは経営陣が不正行為を働いたとの疑惑を否定しており、法廷で自らの潔白を主張するとしている。

インド政府はこの問題から距離を置いており、米国との間で協議は行われていないと説明。インド外務省のジャイスワル報道官は11月29日、「これは複数の民間企業および個人と米司法省が関わる法的な問題だと認識している」と語った。

原題:Adani Says His Empire Will Emerge Stronger After US Bribery Case(抜粋)

--取材協力:Anup Roy.

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