ベトナムは、米国から航空機や液化天然ガス(LNG)などの購入を増やす計画だ。トランプ次期政権下での新たな関税の時代の到来に備える。

「ベトナムは米国との貿易を友好的かつ持続可能な形で推進することを提唱する」とハノイで行われたビジネス会議でベト外務次官が表明した。セキュリティー機器や人工知能(AI)向けの半導体など高額な米国製品の輸入を増やす方針を示した。

トランプ氏は各国に対し関税を強化するとしており、これがベトナム経済が直面している最大級の不確実性となっている。クオン国家主席は今月ペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、「貿易戦争はリセッション(景気後退)や紛争、貧困につながるだけだ」と述べ、関税引き上げがもたらす危険性を警告した。

ベトナムが今後どのような措置が打ち出されるか見守る中で、トランプ氏は今週、中国からの輸入品に関税を10%上乗せし、メキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税を課す方針を示した。

ベトナムの貿易依存度は世界的に高水準で、輸出が経済の約85%を占める。昨年の対米貿易黒字が約1000億ドル(約15兆1600億円)に上るベトナムは、貿易不均衡の是正を目指すトランプ氏の標的となる可能性もある。

全米商工会議所の東南アジア担当エグゼクティブディレクター、ジョン・ゴイヤー氏は「提案されている関税は現実になり得る。ベトナムを含む各国の政府と企業は準備を整えるべきだ」と指摘した。

原題:Vietnam Vows to Buy More US Aircraft, LNG in New Tariff Era(抜粋)

--取材協力:Giang Nguyen.

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