(ブルームバーグ):フランス政府は、経営難に直面する同国のIT企業アトスに対し、同社の先進コンピューティング資産を最大6億2500万ユーロ(約1010億円)で取得する買収提案を行った。
アトスのビッグデータ&セキュリティー部門に属する先進コンピューティング資産には、原子力産業や軍事分野で利用されるスーパーコンピューターと人工知能(AI)ビジネスが含まれ、フランスの国家戦略上重要と想定される。約2500人を雇用し、2023年の売上高は約5億7000万ユーロ。
同社の25日の発表によれば、来年5月末を期限とする拘束力のない提案は、アドバンストコンピューティング資産の企業価値を5億ユーロと評価し、将来の業績に依存するアーンアウト(条件付き取得対価)を含めると、買収額は最大6億2500万ユーロとなる。
フランス屈指のテクノロジー企業だったアトスは、事業継続の能力を脅かす多額の負債圧縮に向け、資産売却を目指している。ミッションクリティカルシステムズとサイバーセキュリティー関連を含むビッグデータ&セキュリティーの残る部分も、正式な売却手続きを開始する予定だ。
原題:France Offers Atos Up to €625 Million for Strategic Assets (3)(抜粋)
--取材協力:Bruce Douglas.
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