欧州中央銀行(ECB)はインフレ率を持続的に2%とする目標の達成に「極めて自信」を持っており、9月に示した予測よりも早期に達成できるだろうと、政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が語った。

ECB政策委員会は「後手に回って」はおらず、データに従ってインフレ率が将来過度に低下する展開を確実に回避すると、ビルロワドガロー氏は主張した。ユーロ圏の10月のインフレ率は2%だったが、再び加速すると見込まれている。

フランクフルトで開かれた欧州銀行業界の会合で、同氏は「データ主導かつ会合ごとのアプローチに基づき実利的な方法で、追加金融緩和のペースを決定していく」と説明。「インフレに対する勝利は視界に入っていると確信しているが、インフレ目標をアンダーシュートするリスクを含め、リスクバランスやその対称性に細心の注意を払う」と続けた。

22日午前に発表された11月のユーロ圏購買担当者指数(PMI)速報値は予想外の活動縮小を示し、短期金融市場では12月にECBが大幅な利下げを決定するとの見通しが強まった。ビルロワドガロー氏はこの後で発言した。

同氏はまた、トランプ次期米大統領が関税引き上げの公約を守る場合、欧州の経済成長には長期で問題が生じると指摘しつつ、短期的には一時的なインフレ高進があるものの「ソフトランディングを果たすだろう」と予想した。

同じイベントでは、ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁も発言した。ECBは遅くとも来年半ばまでにはインフレ目標を達成するだろうとし、22日のPMIはドイツが一時的な低迷に直面していることを裏付けたとの見方を示した。

原題:ECB ‘Very Confident’ of Reaching 2% Inflation, Villeroy Says (1)(抜粋)

--取材協力:William Horobin.

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