(ブルームバーグ):フランスの高級品大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン傘下のコニャックブランド「ヘネシー」の従業員らは、ストライキを来週再開することも辞さない構えを示している。中国による欧州産ブランデーへの追加関税を回避するため、同社がコニャックの瓶詰め作業を中国で行う選択肢を検討していると発表したことに反発している。
ヘネシー従業員で、労働組合「労働者の力(FO)」代表を務めるフレデリック・メルセロン氏は、他の地元生産者らによるストに同社従業員が参加する可能性があると説明。19、20両日に雇用への懸念を理由に同社の従業員約500人がストを行ったという。
メルセロン氏はコニャックの瓶詰め作業を生産地であるコニャック地方ではなく、中国で試すという提案をヘネシー従業員は先週知ったと指摘。同社は欧州産ブランデーへの追加関税を回避するため、たる詰めで送ることを模索している。先月11日に導入された同関税は、欧州連合(EU)による中国製の電気自動車(EV)関税引き上げへの対抗措置とみられており、中国とEUの間で貿易摩擦が激化する一因となっている。
ヘネシーは電子メールで、業界の防衛を目的とした「解決策を見いだすため、あらゆる方面で闘う」ことを目指しているとし、ボトリング作業に関して「中国に拠点を置く業者に一時的に任せる可能性がある」と説明。収穫や蒸留、オークたるでの熟成、ブレンドといった主要な生産工程は「今後も常にコニャックで行われる」とした。
一方、競合ブランド「レミーマルタン」は瓶詰めラインを移転する計画はないと、オーナーのレミー・コアントローは回答。「マーテル」を持つペルノ・リカールはコメントを控えた。
メルセロン氏によると、トランプ次期政権発足後に米国が賦課する可能性のある関税についてもヘネシー従業員は懸念している。
原題:Cognac Workers Protest as Hennessy Weighs Bottling in China (1)(抜粋)
--取材協力:Sabah Meddings、Samy Adghirni.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.