高級腕時計ロレックスのダイバーズウォッチの市場価値は、これまでに製造された分の累計が約500億ドル(約7兆7400億円)に上ることが、同社が初めて公表した生産データの分析で分かった。

ロレックス製腕時計に関する同社公認の書籍「Submariner: The Watch that Unlocked the Deep」によれば、1953年から2020年の間にダイバーズウォッチ「サブマリーナー」と「シードゥエラー」は400万個近く製造された。

英中古品取引プラットフォームのサブダイヤルは、現在の価格に基づくと、両モデルの価値は合わせて約460億ドルと推定する。これに20年以降に製造されたサブマリーナーも含めると、約500億ドルに達するという。

70年以上にわたり製造されているサブマリーナーはダイバー用にデザインされたものだが、今ではウォール街やロンドンの金融街シティーのトレーダーらに愛用されている。

アナリストの推計によると、ロレックスは年間100万個以上を製造しているにもかかわらず、多くのモデルが中古市場で小売価格を上回る価格で取引されている。

かつてクリスティーズに勤務していた米フロリダ在住のビンテージウォッチのディーラー、エリック・ウィンド氏は「目を閉じてロレックスを思い浮かべると、心に浮かぶ時計はサブマリーナーだ」と語った。

サブダイヤルが計算した市場価値は、これまでに製造された両モデルが現存していることを前提にしているが、紛失もしくは廃棄、または作動しないか修理不可能な状態にあるものも多い。

それでも、同社の共同創設者であるクリスティ・デービス氏は「460億ドルというサブマリーナーの価値には驚く」と語り、ロレックスは時計の魅力を損なうことなく「ドル箱モデル」を創り出したと付け加えた。

原題:Rolex Submariner Watches Globally Near $50 Billion Market Value

(抜粋)

--取材協力:Fergal O'Brien.

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