米銀ゴールドマン・サックス・グループの元幹部が、再び主要国の経済政策トップの座に就こうとしている。

ドイツの新財務相にイェルク・クキース氏が指名された。主要7カ国(G7)の少なくとも1カ国でゴールドマン出身者が首相、財務相、中央銀行総裁ポストのいずれかを占める状況が、2006年初頭以降ほぼ途切れず続くことになる。

こうした歴史を背景に、ゴールドマンは「ガバメント・サックス」との異名を取った。過去20年の間には、元幹部3人が同時にG7財務相会合に出席したこともある。クキース氏は2000年代初めから18年まで同社に勤務し、ドイツ部門の共同責任者を務めていた。

ゴールドマン出身の公職経験者には、2000年代初めに同社に在籍していたスナク前英首相もいる。スナク氏の辞任後、クキース氏が財務相に指名されるまでの期間はわずか4カ月。スナク氏は22年10月、同じくゴールドマン出身のマリオ・ドラギ氏がイタリア首相を辞任してからわずか3日後に英首相に就任した。

ドラギ氏は2000年初めにゴールドマンに勤務し、その後イタリア銀行(中央銀行)および欧州中央銀行(ECB)の総裁となった。スナク氏は英財務相を務めた経歴も持つ。

元米財務長官のヘンリー・ポールソン、スティーブン・ムニューシン両氏もゴールドマン出身で、ポールソン氏は政界入り前は同社の会長兼最高経営責任者(CEO)だった。また、英国とカナダの中銀総裁を歴任したマーク・カーニー氏もかつてゴールドマンに在籍。同氏は現在、ブルームバーグの取締役会の議長を務めている。

G7で要職を占めるゴールドマン出身者

原題:‘Government Sachs’ Is Back as Germany Promotes Goldman Alumnus(抜粋)

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