(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)は6、7両日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き下げ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを4.5-4.75%とすることを決定した。
これについての市場関係者の見方は以下の通り。
◎パシフィック・インベストメント・マネジメントのティファニー・ワイルディング氏:
- パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、経済活動の下振れリスクの低下に言及する一方で、長期インフレ期待が依然として抑制されていることを強調した。これは、FOMCが政策金利の調整を段階的に続けることを示唆しており、12月に政策金利を据え置く可能性に道を開くものだ
◎ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏:
- FOMCが12月に追加利下げを行う公算が大きい
- 長期の米国債については前向きにみてはいない
- 債券市場の問題は「驚くべき」米国債供給量にある
◎コメリカ・バンクのビル・アダムズ氏:
- 端的に言うと、米金融当局は9月の決定時に示唆された通り利下げを実施したが、今後の追加利下げについては強固な姿勢が若干後退した。実際、パウエルFRB議長は、当局が中立的なスタンスに移行している道筋になおあると述べた。だが、中立とは理論的概念であり、具体的な水準ではない
◎カーソン・グループのソヌ・バーギーズ氏:
- パウエルFRB議長は、政策金利の先行きについて予測したくないようだ。財政政策が経済に与える影響についても見通しを示したくないように見受けられる
◎LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏:
- 過去2カ月間に金利が大きく変動したことで動揺していた投資家は、落ち着きどころを模索している。予想通り、投資家は今後数四半期の利下げの規模について不合理な期待を抱いていたが、赤字が焦点となる中で、市場は現実を見直さねばならない
◎バンクレートのグレッグ・マクブライド氏:
- 米金融当局は予想通り0.25ポイントの利下げを実施し、ブレーキペダルから足を離し続けている。経済成長の堅調なペースは、9月に0.5ポイントの利下げを実施した際に見られたような緊急の対応を当局が放棄し、今後の金利引き下げをより慎重に、0.25ポイントずつ行うことが可能なことを意味する
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのホイットニー・ワトソン氏:
- 新たなインフレおよび雇用データに伴い、米金融当局は予想通り0.25ポイントの利下げを実施した。12月にも同様の措置が予想される。だが、より力強いデータと、財政および貿易政策を巡る不確実性は、金融当局が緩和ペースを減速させるリスクの高まりを意味する。2025年には「スキップ(1回見送り)」という言葉がわれわれの語彙(ごい)に加わるかもしれない
◎ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのルイス・アルバラド氏:
- 0.25ポイントの利下げは完全に織り込まれていたため、この日の会合は市場ウォッチャーにとって劇的な展開はほとんどなかった
- 2025年に米金融当局は、トランプ次期大統領の掲げる経済政策提案が最終的に実際の政策となるかどうか、またそれらの政策がインフレ、労働市場、全体の経済成長にどのような影響を与えるかを慎重に見極めていくことになろう。これまでと変わらず、金融当局は経済データに導かれるだろう
◎ブック・リポートの著者、ピーター・ブックバー氏:
- 声明は退屈な内容だったが、パウエル議長は12月会合での利下げ確率を五分五分にしようとしていると思う。現在、織り込まれている確率は70%だが、どちらにもコミットしたくないのだろう
◎ルネサンス・マクロ・リサーチのニール・ダッタ氏:
- 利下げ見送りのサインはない。米金融当局が労働市場の低迷をハリケーンやストのせいにしなかったのは良いことだ。労働市場がおおむね緩和してきたとの判断を維持している。声明は12月の利下げ見送りを想起させない
◎リス・フィナンシャル・グループのジェイミー・コックス氏:
- リスクのバランスを考慮すると、FOMCは2025年になってもFF金利誘導目標を引き下げる十分な余地がある。経済が下降に転じない限り、市場は大幅利下げを期待すべきではない。しばらくの間、その可能性は低いようだ
(発言を追加して更新します)
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