米コーニングの強化ガラス「ゴリラガラス」がスマートフォン用カバー(画面保護)ガラス市場の競争を阻害しているとの疑いで、欧州連合(EU)の競争法(独占禁止法)調査に直面している。

EUの行政執行機関、欧州委員会は6日、コーニングが複数のスマホメーカーとの独占契約を通じて競争をゆがめている可能性を指摘。こうした契約は、同社と競合する企業による大手スマホメーカーとの取引を妨げ得るとしている。

EUによれば、調査対象となっているのはアルカリ土類アルミノケイ酸塩という素材を使ったゴリラガラス。このガラスはスマホのほか、ラップトップパソコンやタブレット端末、スマートウオッチにも使われている。

当局はこの調査に関連する製品名を挙げていないが、コーニングのウェブサイトによると、ゴリラガラスはサムスン電子やグーグル、ソニーグループ、聯想集団(レノボ・グループ)などの最新デバイスに採用されている。またコーニングは、アップルとも長年にわたり提携関係にある。

欧州委のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は声明で、「携帯電話のディスプレーが壊れると非常にイライラするし、費用もかかる。このため、こうした機器を保護するカバーガラスの製造での力強い競争はガラスの低価格と高品質を確保する上で極めて重要だ」とコメントした。

コーニングには欧州委の懸念を和らげる機会がなお残されているが、最終的に最大で世界年間売上高の10%に相当する制裁金を科される可能性もある。

同社の広報担当者は、「事業を展開する地域において、適用されるすべてのルールと規制の順守に引き続きコミットしている」と述べた。

原題:Corning Faces EU Probe Into Smartphone ‘Gorilla Glass’ (1)(抜粋)

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