米国債相場は6日に下落し、30年債は新型コロナ禍以来の大幅安となった。トランプ氏が大統領選に勝利したことで、インフレ加速を見越した取引があらためて活発化した。

30年債の利回りは一時24ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇と、2020年3月以来の大きさで上がった。利回りは全ての年限で上昇し、2年債利回りは一時13bp上げた。

利回り曲線全体が上昇してスティープ化することを見込んだ、いわゆるトランプトレードに賭けてきた投資家にとっては、その判断を正当化する動きだ。市場関係者は、トランプ氏が経済を活性化する措置を講じるとみている。

フランクリン・テンプルトン・インスティテュートのスティーブン・ドーバー氏は「債券市場は経済成長とインフレの加速を予想している」と指摘。「これらの組み合わせは、市場が見込んでいる米利下げのペースを減速させ得る。利下げを停止させる可能性さえある」と述べた。

 

トランプ氏が公約に掲げてきた減税や関税引き上げなどは、物価上昇圧力を高める可能性がある。10年債利回りはこの日、一時21bp上昇の4.48%と、7月以来の高水準に達した。

米国債相場の動きはまた、トランプ氏の公約が財政赤字を拡大させ、債券発行増を引き起こすとの懸念も示唆している。

原題:US Bonds Slide Most Since Pandemic as Trump Renews Inflation Bet(抜粋)

--取材協力:Liz Capo McCormick.

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