(ブルームバーグ):11月第1週(5-8日)の債券市場では、長期金利の低下(債券価格の上昇)が予想されている。米国の大統領・議会選ではトランプ前大統領と共和党が勝利する「レッド・スウィープ」が警戒されているものの、結果の確定に時間がかかる可能性も高い。選挙後は「トランプトレード」の巻き戻しで米国債がいったん買い戻され、円債相場を支えそうだ。
市場参加者の見方
◎三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャー
- 今晩の雇用統計後も米長期金利がそれほど上昇しなければ、トランプトレードでさらに金利が上昇していくか疑問。どちらかといえばアンワインドで低下する可能性の方が高いのではないか
- 日本銀行の植田和男総裁は衆院選の不透明要因がなくなり、経済・物価は「オントラック」との姿勢に戻っており、利上げを徐々に織り込みにいく動きは相場の重しになる
- 10年国債入札は利回り水準が下がると積極的な買いが入りにくいが、1%に近い水準に調整していれば需要が集まるだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.920-0.995%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 米大統領選はトランプ氏勝利を織り込み済み。米連邦準備制度理事会(FRB)は今後も利下げを続けていく姿勢で、米国債利回りの大幅な上昇は見込みづらい
- 植田日銀総裁の発言がタカ派的と受け止められる中、将来的な追加利上げが意識される状況に変化はない。財政支出拡大も懸念され、超長期債の上値も重く、長期金利の低下余地は限られる
- 10年国債入札では日銀の追加利上げが警戒されて積極的に上値を買い進む動きは限られようが、1%前後の利回り水準であれば投資家の押し目買いが見込める
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.910-0.990%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 5日:米大統領選挙・議会選挙
- 5日:10月の米ISM非製造業総合景況指数
- 6日:日銀金融政策決定会合の議事要旨(9月19・20日開催分)
- 7日:9月の毎月勤労統計
- 7日:米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表、パウエルFRB議長会見
- 7日:イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表
- 8日:11月の米ミシガン大学消費者マインド指数
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