(ブルームバーグ):高市早苗首相は11日の衆院予算委員会で、公明党が主張する日本版政府系ファンド(SWF)の創設構想について「現時点で評価は言えない」としながらも、制度設計に向けた政党間の議論への期待感を示した。
公明の岡本三成政調会長への答弁。高市首相は政府資産に関して「一般論として安全性を担保した上でリスクとリターンの関係性、運用しないことによる機会費用を考慮すべきだ。これは共有できる」と述べた。その上で、各党の議論の成果を「楽しみにしている。制度設計したら教えてほしい」と語った。
日本版SWF創設は公明が参院選の公約で掲げていた。与党として関わった今年6月の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2025」では、「公的部門が保有する資産について、その保有目的等も踏まえつつ、運用改善や有効活用の有用性を検討する」と明記した。
同党の連立離脱で今後の取り扱いは不透明になっている。高市首相は同記述について「有効な文書だ」と発言しつつ、まずは政党間の議論を見守る姿勢を示した。岡本氏は自民、立憲民主、国民民主、参政の各党から「一緒にやりたいと声をかけられている」と述べ、近く超党派で議論を開始する方針を示した。
岡本氏は公明の目指す「ジャパンファンド」のイメージも提示した。年金積立金、外国為替資金特別会計、日本銀行が保有する上場投資信託(ETF)などを同ファンドに運用委託する案で、仮に500兆円規模を安定的に運用できれば年間で5兆円の新たな財源を確保できるとした。
仮に5兆円の恒久財源があった場合に何に使いたいかと問われた高市首相は、「例えば食料品の消費税軽減税率をずっとゼロにする」と回答。自身が重視する危機管理投資を進めるため、「民間だけで足りない部分にしっかり投資していきたい。特に科学技術分野を強くしないといけないので、そこに突っ込めると大変ありがたい」と語った。
- 日本経済はデフレを脱却したとは言えない
- 日銀とコミュニケーションしっかりと取っていきたい
- 税率上げずとも税収増える強い経済目指す
- 飲食料品の消費減税は選択肢として検討する
- 一方的に目標定めるより賃上げ環境整える-最低賃金
- 最低賃金に連動して調整は考えていない-基礎控除見直し
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