米大統領選挙を前に世論に影響を与えることを目指すロシア勢が、民主党候補であるハリス副大統領のディープフェイク動画を手掛けるなど、人工知能(AI)を活用していることが、米マイクロソフトの新たな調査で分かった。

こうした手口には、不正な編集のほか、信頼できる組織を装った偽投稿、ハリス氏を中傷する捏造(ねつぞう)画像が含まれる。マイクロソフトによると、ロシア国営メディアRTやスプートニクが米国でのAI生成コンテンツ拡散を後押ししている。ロシア勢はAIを使い、ハリス氏が選挙集会でトランプ前大統領について語る偽の音声を作成した。

同社のリポートによれば、AI生成の虚偽的なコンテンツは米国で今のところ共感を得られておらず、11月5日の投票日が近づく中、ロシア勢は有権者をだますための手口としてよりシンプルな手法を用いる方向だ。同社はこうした事例として、9月下旬にRT特派員がX(旧ツイッター)に投稿した動画が、一定の注目を集めたことを挙げた。

米国家情報長官室も22日、ロシア政府支持者が米民主党の副大統領候補であるミネソタ州のウォルズ知事の偽動画を作成し、拡散したと指摘した。動画はウォルズ氏が性的暴行を働いたという根拠のない指摘を強調する内容だった。

マイクロソフトは「AI利用は、選挙戦最終盤に視聴者が突きつけられる広範なデジタル操作のごく一部に過ぎないだろう」と警告した。

原題:Russia Smeared Kamala Harris With Deepfake Video, Microsoft Says(抜粋)

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