通期利益予想を下方修正したドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツグループのオラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)は、利益率向上のためできることは何でもすると表明した。

メルセデス、通期業績見通し下方修正-中国事業が急速に悪化 (1)

最大市場である中国の減速が悪化し、メルセデスは乗用車部門の利益率見通しを引き下げた。中国の需要冷え込みは、「Sクラス」や「マイバッハ」など同社の最も高価なモデルの販売に影響を及ぼしている。業績予想の下方修正を受け、20日のドイツ株式市場で同社の株価は4年ぶりの大幅安となっている。

ケレニウス氏は20日、業績の改善に「できることは何でも」すると表明。それには新モデルで販売攻勢を中国でかけることも含まれるとし、「風を見ているだけではなく、積極的に風に乗りに行く」と語った。

高級路線を追求するメルセデスにとって業績予想の下方修正は痛手で、ドイツ自動車業界にまた表れた警戒すべき兆しでもある。同業界は紆余(うよ)曲折をたどる電気自動車(EV)への移行や中国での逆風に苦しみ、フォルクスワーゲン(VW)は今月、数十年にわたり維持してきた雇用保障協定を破棄し、ドイツ国内の工場を初めて閉鎖する可能性もある。BMWは先週、中国とEV販売の低迷などを理由にやはり通期業績予想を引き下げた。

メルセデス株は一時8.4%安と、取引時間中として2020年6月以来の大幅下落。年初来では約12%安となっている。

原題:Mercedes CEO Vows Moves to Boost Returns After Profit Warning(抜粋)

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