19日の東京株式相場は大幅続伸し、日経平均株価は節目の3万7000円台を回復した。為替相場で円が1ドル=143円台前半に下落し、輸出関連銘柄を中心に幅広く買いが入っている。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が0.5ポイントの利下げ決定後に新たな緩和ペースと想定すべきではないとの見解を示したことで、円売りが進行。為替変動による業績懸念が後退し、自動車や電機、機械などの上げが目立つ。銀行や保険など金融株も買われており、東証33業種は全業種が値を上げている。

市場関係者の見方

インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト

  • 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が円高につながらなかったという安心感から輸出関連株に買いが入っている
  • ここからさらに円安に振れれば輸出関連銘柄などへのプラス材料となるため、日本株は一段高となりやすい
  • 半面、日銀の金融政策決定会合を明日に控えて、投資家は大きなポジションを取りにくいだろう。アジア市場が大きく上昇しなければ日本株の上値も重くなりそう

野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジスト

  • 結果的に米国株は安く終わったが、為替の円安を受けて日経平均先物は夜間取引で高く、日本株はきょうの取引でも素直に反応して上昇する
  • 自動車は円安進行が好感されて買いを集めそうだ。電子部品や精密機器などにも買いが入る

インサイト

  • 東証33業種中全業種が上昇-輸送用機器が上昇率トップ
  • MSCIアジア太平洋指数は0.4%高
--取材協力:岩井春翔.

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