(ブルームバーグ):28日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=144円台前半に下落。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて実需のドル買い・円売りの動きが出たほか、日本銀行の氷見野良三副総裁の発言もドル買い要因となっている。
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、氷見野副総裁は金融資本市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視していく必要があると言っており、「市場に配慮した言葉に相場は反応したのではないか」と述べた。
氷見野日銀副総裁は28日、経済・物価の見通しが実現する確度が高まれば、金融緩和度合いを調整するとの見解を示した。山梨県での金融経済懇談会で講演した。
見通し実現の確度高まれば、緩和度合い調整が基本-氷見野日銀副総裁
石月氏は、アルゴリスム系の取引が中心で流動性も低下しているため値動きが大きくなる可能性はあるが、「この発言で相場の方向感は定まらない。円安基調に戻ることもなさそうだ」とみている。
また、あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、前日からのドル売りの流れでいったん144円を割れたものの、仲値に向けたドル買いが見られたと指摘。「スポット取引の月末最終日であるため取引が膨らむ可能性があり、その中の動き」と話した。

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