南シナ海の領有権をめぐって激しい対立を続ける中国とフィリピン。JNNは、フィリピンの船が中国船から放水の直撃を受ける瞬間の映像を入手しました。
轟音とともに猛烈な勢いで船内に入ってくる水。これは、フィリピンの輸送船が中国海警局の艦船から放水砲の直撃を受けた際の映像です。
フィリピン軍は23日、南シナ海にある軍の拠点へ補給のために向かっていた輸送船に対し、中国側が放水砲を発射するなどの「危険な妨害行為」を行ったと発表しました。
輸送船は深刻な損傷を負い、フィリピン軍などによりますと、乗船していた複数のフィリピン人が頭を切るなどのけがをしたということです。
フィリピンの外務省は25日、中国大使館の代理大使を呼び出して「強烈な抗議」を伝えたと発表。「中国の攻撃的な行いは、地域の平和に向けたASEAN諸国と中国の努力を無に帰するものだ」と厳しく非難しました。
一方、中国外務省の林剣報道官は25日の記者会見で反論しました。
中国外務省 林剣 報道官
「フィリピンの船が強行突入したので、中国海警はやむを得ず必要な法執行措置をとった」
また、「フィリピン側には挑発を直ちに停止するよう要求する」とした上で、引き続きフィリピン側に厳しい姿勢で対応していくことを強調しました。
今回の放水をめぐっては、アメリカ国務省のミラー報道官も23日に、「明らかに国際法を無視している」と中国を批判する声明を発表しています。
これについても林報道官は「アメリカは公然とフィリピン側が中国の主権を侵すことを後押ししていて、地域の平和と安定を著しく脅かした」とアメリカを批判しています。
    アメリカの政府閉鎖「35日目」に “過去最長”の2018年に並ぶ 低所得者向けの食料補助は一部継続へ