流通大手のセブン&アイ・ホールディングスは、新しい形の店舗を報道陣に公開しました。身近な買い物は「すべてコンビニ」で。そんな時代が来るかもしれません。

2日後のオープンを前に公開された新店舗、その名も「SIPストア」。

記者
「一見普通のコンビニなんですが、野菜やイチゴなどが並び、スーパーのような売り場が広がっています」

店内には野菜や果物のほか、肉や魚などの生鮮食品がずらり。チーズや納豆などの品揃えも充実しています。さらに…

記者
「こちらのコンビニでは、ここからここまで、すべて冷凍食品の売り場です」

壁一面の冷凍ケースには、イトーヨーカ堂が開発した冷凍食品などが並びます。ほかにもグループ企業から化粧品やベビー用品などを揃え、扱う商品は5300品と、コンビニに比べておよそ1.8倍。売り場の面積も2倍弱と広く、まさに大きさもコンビニとスーパーの「中間」です。

セブン-イレブン・ジャパン 永松文彦 社長
「消費のマインドが大きく変わっております。調理定年ということが言われておりますので」

背景にあるのは「消費の変化」。高齢化が進み、家族の食事作りをしなくなる「調理定年」が増えるとされる一方、若い世代では共働きで料理に時間をかけない「タイパ(タイムパフォーマンス)」の需要が高まっています。

お惣菜や冷凍食品でこうしたニーズを取り込んだ上で、自宅近くで買い物をすべて済ませられるようにするのが狙いです。

セブン&アイは去年、グループ内のスーパー・イトーヨーカ堂の経営不振からアパレル事業から撤退し、食品に集中する方針を打ち出し、構造改革を進めています。

セブン-イレブン・ジャパン 永松文彦 社長
「我々コンビニエンスストアがさらに進化していくため、セブン-イレブンだけではできないので、グループのシナジーを生かす」

グループの稼ぎ頭のコンビニに、スーパー事業の強み「食品」を組み合わせて、新たな相乗効果を生み出すことができるのか、新戦略に注目が集まります。