そのときに、登山客は、軽装で比較的最近、皆さん来られるんですね。ですから3776mの山ということをもっと認識してきていただきたいんですが、軽装で来るがゆえに疲れて日帰りで来るものですから、高山病になる

 それからもう一つには、その渋滞にはまって低体温症になる。こういうようなことで医療センターへ運び込まれる方が続出するというのが、過去において、弾丸登山が多かったときには、一番発生した事例が多いんです。

 そして、何よりも怖いのが、この渋滞は7合目、8合目いわばここのみにならず、頂上。頂上はご承知の通り狭い面積のところで、ご来光待ちの、既に入っているお客さんがご来光を待ってます。つまり、入ったお客さんがもう出ません、ご来光が出るまでは。

そうなりますとそれを待ってる登山客がずっとまた長い行列で続くんです。ここはですね皆さんご承知の通り、本当に3776っていうこの自然現象、厳しい、恐ろしいような気象条件があるんです。やはりこの体温も当然、低体温症になります。

それと同時に、もう一つこれだけの多くのお客さんが見えると、コースを少し踏み外したり、ガイドツアーならばその辺はガイドさんが守ってくれますが、一般客で登りますと、もう待ってられなくて、コースをはみ出ちゃったりするんですね。

そして脇を登れば上がっていける。こんなことで何が起こるか、一番私どもが恐れているのは落石なんです。


この落石事故によって過去においても、頂上付近でも、3年ぐらい前になるんでしょうか、外国から来られた女性の登山客がその落石で命を落としてしまった。こういうようなこと、死亡に至らなくても、事故があった、落石があったってことは本当にこの渋滞が発生したときには、よくある現象なんです。