去年、山口県阿武町で起きた4630万円の誤振り込み事件で、注目を集めたのがフロッピーディスクです。事件とは直接関係ありませんでしたが、町では、このフロッピーディスクを使って振り込み先のデータを金融機関に渡していて、まだ使われていたことに驚きの声も上がりました。このフロッピーディスク、阿武町が使用をやめていたことが分かりました。

去年4月、阿武町が新型コロナの給付金・4630万円を誤って1人の男に振り込んだ事件。

阿武町 中野貴夫副町長(去年4月の会見)
「ちょっと信じられないかもしれませんけど、まだ阿武町役場と銀行間では、フロッピーディスクを使って支払い等を行っております」

町がフロッピーディスクを使って、金融機関に振込先のデータを渡していたことも世間に驚きを与えました。

フロッピーディスクとは、アメリカのIBM社が1971年に開発したパソコン用の記録媒体です。記録容量は最大で1.4メガバイト、現在よく使われる「G(ギガ)」に置きかえると、約0.0014ギガバイト。新しいメディアの出現や、取り扱うデータの大容量化で次第に使われなくなり、ソニーでは2011年に製造を中止しました。

この事件を受けて、「生きとったんか」「全国の市区町村でもまだまだ現役なんでしょうか?」このような声がX・旧ツイッター上にあがり、トレンドワードの上位にランクインしました。

当時、金融機関に振込先のデータを渡す目的で、フロッピーディスクを使っている自治体はいくつかありましたが、そのほとんどが移行を始めていました。

阿武町は、今年2月にいったんフロッピーディスクからDVDに切り替え、今年10月10日の振り込み分から、電送システムに切り替えました。町出納室によりますと、切り替えのきっかけは誤振り込みの事件で、金融機関とのデータのやりとりなどのテストを経て、切り替わったということです。地方銀行や信用金庫などの金融機関で利用でき、金融機関へ持ち込む手間が省けるメリットがあるということです。