この夏、ある中学校の野球部が歴史に幕を下ろしました。その終わりを惜しんで、OBや地域の人が特別な大会を企画しました。最後の部員4人と地域の人たちを結んだ、1日に密着しました。

最後の3年生引退試合

7月29日。

萩スタジアムでは中学生が懸命なプレーを見せていました。3チームが参加した、萩市の秋季体育大会。3年生はこの大会で引退です。

そのうち1チームは阿武中、須佐中、田万川中の合同チーム。須佐中と阿武中にとってはもうひとつ、節目の大会でもありました。
この大会を最後に、野球部は廃部となることが決まっているのです。

須佐中は全校生徒23人。部員を確保できないことが理由で、今の3年生で部員の募集を停止。最後の大会を懸命に戦いました。

須佐中野球部・野村旭陽さん(3年)
「自分なりに最後まで戦いきれたので、3年間やってきてよかった」

須佐中野球部中本虎太郎キャプテン(3年)

「田万川と阿武との合同チームだったけど、練習も楽しくできて最高でした」

公民館に集う大人たち

須佐中野球部4人の、中学野球最後の夏が終わりました。その日の夜ー。

井村恵幸さん
「萩西中相手に、善戦しましたがこれも10対3、6回コールドで敗れました。ただ、タイムリーを打ったり、とてもいい内容だったと思います」

須佐公民館には大人たちが集まっていました。
須佐中野球部のOBや須佐中PTA、地域の野球愛好家らです。須佐は、野球が盛んな地域です。人口2100人あまりの町には5つの草野球チームがあり、定期的に大会が開かれています。

「廃部を惜しむ野球大会」を企画

その多くが須佐中野球部OB。彼らが中心となって、「須佐中野球部の廃部を惜しむ野球大会」を開催しようというのです。現役部員とOB、地域の人で最後の思い出を作ります。

「須佐中野球部の廃部を惜しむ野球大会」実行委員会会長 中本健太郎さん

「何十年ぶりに来る人もけっこういると思いますからね、懐かしいんじゃないですかね。野球が好きな人が多くて、イベントが好きな人も多いと思うので、待ち遠しいと思いますね」