10年寝かせる味噌づくり

暦の上では春ですがまだまだ肌寒い2月下旬。シュンシュンシュンシュンー。やまこさんが圧力鍋で大豆を煮ていました。
やまこさん「きょうは、優がなんか突然10年熟成のみそを作ってみたいって言い出して、私もまだ作ったことがないんですけど、一緒に仕込んでみようかと思います」
優くんが二十歳になるまで熟成させる、特別なみそです。まずは、米麹に塩を加えて混ぜ合わせます。

やまこさん「ジョリジョリジョリやろ。優の手の中にいる、いい菌をいっぱい入れるの。優の元気菌を。きっとおいしくなるよ」
優くん「オッケー」
いつもは家族みんなでわちゃわちゃしながら大量に作りますが…。この日は優くん1人で、静かに麹と向き合っていました。
関谷アナ「初めてのお味噌は何に使いたい?」
優くん「みそ汁」
そうこうしていると、大豆がやわらかくなってきたようです。大豆を鍋からザルに移します。
やまこさん「熱いから気をつけてね」
大豆は、やまこさんの友人が無農薬で育てたものです。やわらかくなった大豆を少し食べてみたやまこさんと優くん。
優くん「おいしいです」
やまこさん「ね、本当おいしいね」
優くん「甘い」
やまこさん「うん!」
足で踏んだり、麺棒で叩いたりしてつぶしたら…麹と大豆を、こねて混ぜます。

やまこさん「しっかりこねて~。しっかりこねこね~、しっかりこねこね~」
みそは元気のもと
やまこさんにとって、みそは元気のもとです。
やまこさん「ヨーロッパでの生活が長かったんですけど、やっぱりヨーロッパの食事ばかりだと疲れてたんですね。そんな時いつも私を元気づけてくれてたのがお味噌汁でした」
そんなみそへの思いが、優くんにも伝わっているのかもしれません。丸めて団子にしたら、空気が抜けるように容器に投げ入れるのですが…。唐突に扉が開いて要くんが登場しました。
要くん「僕簡単なかけ算ならできるよ!何しよるん」
やまこさん「ふふ、そうなん…」
前触れなく突如登場した弟にも動揺することなく、「どん!」と味噌玉を投げ入れる作業を続ける優くん。
やまこさん「上手!めっちゃ上手になっとる優!」
最後に塩をかぶせたら完成です。
やまこさん「10年も熟成させたらどんな味になるんだろうってちょっとワクワクしたのと、優がそうやって自分でみそを作ることを楽しく前向きにとらえてくれていることがうれしかったです」
梅雨ごろに一度、かき混ぜて様子をみるそうです。
季節の恵を味わう、野草摘み
やまこさんたちが玄関から出てきました。
やまこさん「どこの採る?ふふふ」
お昼ごはんの準備!冬の間、葉が赤くなる野草「スイバ」を摘みます。

やまこさん「酸っぱいんですよ、この茎が。生でもおいしいです」
もぐもぐ食べている優くん。
やまこさん「おいしいよね、本当においしいよね」
優くんはうなずいて、体をきゅっとさせました。
関谷アナ「酸っぱい?その酸っぱさがいい?」
優くん「はい」
正月が明け、七草に始まり、これからの若菜つみ。やまこさんは、その年に芽吹いてきたいろいろな命をいただくことを大切にしています。
やまこさん「こういう酸っぱいもの、苦いもの、その季節に採れる恵みを体に入れることでスイッチを押すそうです。さぁ起きるぞ~今から春がきて、活動的に動くぞーっていう」
スイバをジャムに
さわやかな酸味のあるスイバは、ジャムにするのがおすすめだそうです。みんなで葉を細かく刻んだりちぎったりします。
豪快に葉をちぎる周くん。
やまこさん「ふふふ、ものすごい豪快。どんだけ豪快なん!はは」
要くんが、パンを持ってきて作業台に置きます。
要くん「とぅっとぅとぅーん!切ります!」
焼きたてふわふわのパンに大興奮の2人。
要くん「食べよ!少し!いい?」
やまこさん「ちょっと待って」
要くん「食っちまった!」
やまこさん「どんなお味?」
要くん「うめぇ!」
やまこさん「おいしい?よかった」

パンをつまみ食いする弟たちの横で、ことことスイバを煮込む長男・優くん。ジャムを味見して、にこにこした顔になりました。
関谷アナ「どう?優くん」
優くん「パンにつけたらすごいおいしそう」

10分ほどでスイバジャムの完成です。みんなでいただきます。パンにたっぷりつけておいしそうにスイバを堪能する優くんの横で…パンにおにぎりをのせた周くん。
周くん「焼きそばパンじゃないよ~おにぎりパンだよ~!」
こちらもおいしそうではあります。