地下の「坑口」開ける取り組みも
そして、もう1つが坑道につながる入り口「坑口」を開けようという取り組みです。
井上さん
「犠牲者の尊厳を回復するためには、あえて私たちはここを掘るしかありません」
決意を示す集会にはおよそ170人が集まりました。
韓国で犠牲者の遺骨発掘を推し進めるチェ・ボンテ弁護士
「この犠牲者に『みなさん、戦争が終わりました』と報告したいんです」

2015年、会は独自におよそ100万円をかけて坑口の場所を調査。地下4メートルほどの場所に坑口が埋まっているとみられています。この場所を秋ごろに掘り返す方針で、開口工事に向けた作業を行いました。
井上さん
「国があそこまで難しいと、困難だと言い切っているということで、骨の一片でも私たちが見つければ、国はやらざるを得なくなるというふうに思っておりますので、なんとかそういう状況を切り拓いていきたいと」
高額費用と土地所有権が課題に
2つの入り口から坑道に入る可能性が探られていますが、課題もあります。1つは、費用の問題。「坑口」を開けて遺骨発掘を目指すには、工事費用などで800万円かかると見積もられています。「ピーヤ」から坑道を目指すとなればさらなる費用がかかります。
そして坑口があるとみられる土地の所有権の問題もあります。会によると、この土地の登記は任意団体となっていますが、この団体は所有している意思はありません。宇部市が戦後の土地整理で登記すべきだった土地だと主張しています。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会・上田慶司事務局長
「宇部市が所有しているにも関わらずちゃんと登記をしていないと。そういう資料をつかみましたので」
会は市に、この土地で工事を開始することに異議がないかを確認する通告書を提出しました。

井上さん
「市長さんともよくご相談されて、ご返答をいただきたいと」
市担当者
「しっかり確認させていただきます」
今月末までに異議の申し出がない場合、工事を始める方針です。
遺族高齢化で急がれる遺骨発掘
井上さん
「所有権が曖昧なままでも、私たちは遺族の高齢化を考えた場合に、1日も早く坑口を開けて遺骨を外に出したいと、いうことがありますので、やむなくですね、こういう行動を取らざるを得なかったと」
9月には、岸側の「ピーヤ」でも潜水調査を予定しています。宇部市からの回答次第では「坑口」の開口に向けた工事が動き始める可能性もあります。
井上さん
「坑口に通じる道を探そうと思って掘ってみたらタイルが出てきたと。9月にもし工事に入れれば、ここからずっときれいに掘っていくことになります。そうすると、斜めにずっと下につながっていくんじゃないかなというふうに推測ができます」
遺族は、遺骨発掘の早期の実現を望んでいます。

韓国遺族会・ヤンヒョン会長
「遺族の1世がいる間に坑口を開くことで、日韓両国の政府が目覚めて対策を練り、遺骨発掘できるのが一番の願いです」
来年、日本と韓国は国交正常化から60年を迎えます。
井上さん
「この遺骨をほったらかしにしたまま、未来志向というのは違うんじゃないかなと思っているので。戦争の被害者としてここにおられるわけですから、その方たちに日本政府は責任ある態度、誠意ある態度を示すべきじゃないかなというふうに思っています」













