【6回裏】
そのムードを打ち消したのは、やはり清原。

打たれた瞬間、古谷はがっくり。うなだれて打球の方向すら見ない。
左中間の1番深いところに打ち込む、この日2本目、大会5本目の本塁打で、PL学園が再び同点に。

宇部商3対3PL学園

その後、古谷、桑田両投手が投げ合い。同点のまま試合は最終盤へ。

【9回裏】
PL学園の攻撃はすでに二死。

2番安本の打球は打ち取った当たりだが内野と外野の間にポトリと落ちて二死一塁。

二盗が成功して二死二塁。

一打サヨナラのチャンスにPLの打席には3番、主将の松山。

初球を叩くと、打球は前進していたセンターの左を抜け、右中間を転がる。

安本が生還し、PL学園がサヨナラ勝ち。

宇部商3対4PL学園

敗れた宇部商業。「最強」を追い詰めた戦いぶりにアルプスからは健闘をたたえる声が聞かれた。

応援の女子生徒は「よく頑張ってくれました」と涙をこらえながら話した。

「ここまでよくやってくれた」。応援団の男子生徒は、PL学園の校歌が流れる中、絞り出すように答えた。